わたしが思う「舞台」の3つの魅力
みなさんにとって、舞台の一番の魅力は何でしょう。
答えは人それぞれ、違うからこそ面白いもの。
けれどもし、私が、普段観劇をしない人に「舞台の魅力は何?」と聞かれたなら。
きっと、次の三つを挙げると思います。
①舞台は生きもの
その日によって、板の上に流れる空気はまるで違う。
或いは封を切られたワインのように、日を重ねることにお芝居は変化していく。
同じセリフ、同じ衣装、同じ舞台装置でありながら、一度として同じ瞬間は無い。
その刹那の感覚に、たまらなく惹かれます。
②発散される人間のエネルギー
もちろん映像作品でも、人の熱量やエネルギーを感じることは十二分に出来るでしょう。
けれど、編集され切り取られ、レンズ越しに見る演技と、生身の人間が眼の前で行っている演技とでは、肌に伝わってくるエネルギーの熱量が違う。そこに魅了されました。
③不自由
映像作品と違って、CGや合成は使えない。火や水を使うわけにもいかない(まれに使うこともありますが)。
たった一枚の板の上で、火事も嵐も地震も戦争も表現しなくてはいけない。
その不自由さが、かえって大いなる魅力に感じられるのです。
言われてみれば、どれも至極当たり前のこと。
けれど当たり前に見えて、本当に凄いことだと思うのです。
昨今のコロナウイルスの流行で、劇場公演を動画配信する団体も増えました。
けれど、「画面越し」と「あの空間に座っている」のとでは、五感を通して感じられるものがまるで違う。
だからこそ、一度は、劇場に足を運んでみて欲しい。そう思えてなりません。